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30 神のみ名(全般)


 神の名を、新約聖書の237箇所で、“Jehobah”エホバと訳したこと、これは正当な根拠がなく、改ざんと言わねばなりません。
(1) 神の名は、旧約聖書では、ヘブル語表記でname.GIFです。ユダヤ人は、これを音声で表現することを避けていた結果、その読み方(音価)がわからなくなりました。学説では「ヤハウェ」が多数説となっていますが、「エホバ」だったかもしれませんし、他の読み方だったかもしれません。今のところ断定はできません。
 ものみの塔は、そのブロシュア「神のみ名は永久に存続する」8ページ右欄末尾で「確かなことはだれにも分かりません。 そのように発音されたかもしれませんし、そうでないのかもしれません。それでも多くの人はエホバという発音を好みます」と書いています。要するに、ものみの塔は“好み”によって、神の名を「エホバ だ」と 固執していることになります。好みでは真偽を決められません。
(2)一方で、新約聖書はそうではりません。新約聖書の写本は、すべてギリシャ語で書かれています。その写本は大文字写本で274、小文字写本が2795、パピルス写本多数が現在までに発見されています。しかし、これら多数の写本のどこにもエホバという表記が出てきません。このことは、「ものみの塔」発行のブロシュア「神のみ名は永久に存続する」26ページ右欄の段落初め1、2行目で認めていることです。
(3)また、新約聖書のいかなる古代訳にも、また、教父文書のどこにも、エホバという名は出てきません。
(4) 以上のような写本、古代訳本、教父文書などを比較検討し,きわめて精緻に本文批評した結果つくられた校訂本文こし信頼に足るもので、どの聖書の翻訳にもこうした校訂本文が用いられているのです。ものみの塔が重用するウェストコット・ホートの本文もその一つですが、最近、発見されたパピルス写本の成果が反映されていない点でやや時代遅れとなっており、現代では、ネストレ校訂本や、アーラント・ブラック・メッガー・ヴィクレン版の校訂本が多く用いられています。これら信用ある校訂本文には、もちろん、“エホバ”という言葉はどこにも出てきません。
(5) 上述の通り、新約聖書はの写本は、ギリシャ語で書かれており、当然校訂本文もギリシャ語で書き表されています。これは、新約の記者が、たとい旧約聖書から引用した箇所であってもギリシャ語で書き表したことを示しています。それは、いわば聖霊に導かれた結果でありました。それを、引用箇所であるからといって、勝手に別の言語(ヘブル語由来と主張する“エホバ”という言葉)に置き換えることは、聖書の改ざんに当たります。
(6) ギリシャ語写本に出てくる“Κυριο”キュリオスは、英語で“Lord”、日本語で“主”と訳される言葉です。また、ギリシャ語写本に出てくる“θεο?”セオスは、英語で“God”、日本語で“神”と訳される言葉です。いずれも“Jehovah”エホバと訳される余地は、まったくありません。
(7) ところが、ものみの塔発行の『新世界訳聖書』は、その新約部分の237箇所で、“エホバ”という言葉に翻訳しています。
(8)237箇所の一例 コリント第二 10:17
ギリシャ語本文(ウェストコット・ホート本文による)
英文(王国逐語訳)
2c10-17g.GIF
英文
新世界訳聖書
02c10-17e.GIF
日本語訳
新世界訳聖書
02c10-17j.GIF
新改訳聖書
2c10-17sinkaiyaku.GIF
(9)237箇所の態様別内訳
@新約聖書で引用している旧約聖書の箇所について引用元である旧約聖書のヘブル語文の中に、name.GIF(英語でYHWH)の語がある場合に、引用先の新約聖書にある“Κυριο?”キュリオス(主)を一律に「エホバ」と訳出しているもの53箇所。
A旧約聖書を引用していない新約聖書の箇所で“Κυριο?”キュリオス(主)を「エホバ」と訳しているもの170箇所。同じく“θεο?”セオス(神)を「エホバ」と訳しているもの13箇所。同じく“αυτον”アウトン(彼)を「エホバ」と訳しているもの1箇所。計184箇所です。@+A=237箇所。
(10)ものみの塔は、新約聖書で、どこにも根拠のない“エホバ”という語に訳出する理由を「参照資料つき『新世界訳聖書』付録1ニ(1756〜1758 ページ)」であげています。即ち、その1950年版で、21種の資料、1984年版で27種の資料をあげ、それらの中に“エホバ”と訳されているとします。しかし、次の問題があります。
@ヘブライ語訳聖書(彼らの資料略号でエ1〜エ21)…ヘブライ語訳は,本文でもないし古代語訳でもありません。それは、ユダヤ人が1385年以降にキリスト教を批判するために翻訳したもので、キリストの神性を攻撃する意図のあるものです。それ自体がたましに満ちています。
Aそのうち、エ11〜エ16は、ロンドン・ユダヤ人協会が発行したもので、イエス・キリストがメシヤであることを否定する立場で翻訳しています。
B20は、聖書ではなく、コンコルダンスにすぎません。
C21は、英語聖書であり、一般には信頼されていないアデルフィアン派のもの。役者ベンジャミン・ウィルソンは、新聞記者であって、翻訳専門家ではりませんし、クリスチャンとしても疑問のある人です。
D辞典や典礼本もあげられていうますが、これらは、到底根拠となり得ません。

  このような資料をもって、“エホバ”と置き換えをするのは、意図的誤訳、つまり改ざんです。


―――終わりに―――


 以上は改ざんの一例です。改ざんは意図的です。言葉の意味を無理矢理変えようとしています。本文を別の言葉に置き換えています。何よりもイエス・キリストの姿を変えようとしています。非常に悪質な行為です。
 「輸血の禁止」の教理はいずれ、ものみの塔自ら変更するでしょう。家庭破壊の悲劇は何とも痛ましいことで、鋭意対策を進めなければなりません。しかし、聖書の改ざんはそれらすべての害悪の基礎です。もし、ものみの塔(エホバの証人)が目の前で開く聖書が彼ら独自に変えてある聖書だと知ったら、彼らの言うことに耳を傾ける人はよほど少なくなるでしょう。これを多くの方々に認識してもらうことが極めて重要であり、かつ急務です。また、それが対策としても効果的であると信じます。ものみの塔は聖書に立つと標榜しているのですから、その聖書自体が本当の聖書でない"改ざん聖書"なることを広く明白にしていくことが彼らへの最大の対策であります。

連絡先 エホバの証人問題相談所

              п@087−833−1923  正木 弥

  

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